2009年から始まった太陽光発電の買い取り制度ですが、固定買い取り制度が始まった2012年から売電単価は毎年下落しています。
下がり続ける太陽光売電単価
年度 | 10kw未満 | 10kw以上 |
2009年度 | 48円 | |
2010年度 | 48円 | |
2011年度 | 42円 | |
2012年度 | 42円 | 40円 |
2013年度 | 38円 | 36円 |
2014年度 | 37円 | 32円 |
2015年度 | 35円(33円) | 29円 |
2016年度 | 33円(31円) | 24円 |
2017年度 | 30円(28円) | 21円 |
このように売電単価は毎年2円のペースで下がり続けています。この動きは今後も続くとみられています。
2018年・2019年の売電価格は決まっている!
2016年12月13日に調達価格等査定委員会が「平成29年以降の調達価格等に関する意見」を発表しました。
これによると、2017年度は現行の33円から30円へと下落することが書かれていますが、実は2018年・2019年度の価格についても触れられています。
2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | |
出力抑制なし | 28円 | 26円 | 24円 |
出力抑制あり | 30円 | 28円 | 26円 |
※出力抑制なしの地域:関東・中部・関西
出力抑制ありの地域:北海道・東北・北陸・中国・四国・九州・沖縄
このように毎年1kwあたり2円下がることになっています。
しかし、2016年度までは翌年の売電価格の決定はギリギリまで発表されていなかったのに、なぜ2017年度売電価格からは3年分も発表されたのでしょうか?
太陽光発電2019年問題
2019年までの売電単価を決めたのは2019年問題によるものだと考えられます。
冒頭で少し触れた余剰電力買取制度。現在は「固定価格買取制度」という電力を高額で売電する制度が始まったのが2009年です。
この当時、10年間の固定買取で1kw当たり48円とされていました。
つまり、2019年は初めて高額な固定買取制度が終了する年度となっています。
経済産業省の買取制度の解説では、固定買取期間が終了したら、各電力会社と設置者の合意によって価格が決定するとなっています。
電力会社が高値で電力を買い取れるのには「再エネ賦課金」という制度があるからこそ、太陽光発電設置者に高値で買い取ることができていました。
しかし、再エネ賦課金を受け取ることができないのであれば、電力会社は損をしてまで高い売電単価で買う必要が無くなります。
となると、固定買取期間が終了すると売電単価は著しく下落することは容易に考えられます。
2019年で固定買取契約が満了し、買電単価より安い単価で売電しなければならないのであれば、自己消費するように設置者は考えると思います。
そこで、政府としては固定買取価格を徐々に下落させ固定買取価格の契約満了者だけではなく、これから太陽光発電を設置する家庭にも自己消費を促したいと考えているのではないでしょうか。
固定買取制度の10年が満了したときの売電単価は?
先ほどお話した通り、経済産業省の解説によると、固定買取制度の期間満了後の単価については、買取を行う電力会社と、売電する設置者が合意のうえで価格を決定するとなっています。
そうなると、11年目の売電価格は電力業者との協議になりますが、設置者からの価格提示ではなく電力会社からの通知により価格は決定すると考えられます。
それがいくらになるのか現在のところ明確ではありませんが、経済産業省の資料によると11円/kwhとされています。
固定買取価格を決定する調達価格等査定委員会が発表した資料ですが、電力会社が太陽光発電を買い取ることによって本来かかっていた費用が10.72円/kwhあるということが根拠となっているようです。
ですから、今のところ考えられる、11年目以降の売電単価は11円程度ではないかと思います。
まとめ
今回は2019年度の売電単価についてお話しました。
太陽光発電の高額な固定買取制度が始まって来年で9年目になります。冒頭で価格推移を書きましたが相当買取単価は下落していますし、今後も下落し続けると思います。
これにより太陽光発電を搭載するメリットが無くなったかというと、そうとも限りません。
太陽光発電は30年ほど使えると言われていますから、搭載kw数や蓄電池の有無にもよりますが、電力会社から購入しなくても、自家発電でまかなえるようになりますので電気代のかからない住宅になりますし、万が一の災害などでも自家発電していれば電気が使用できるのも安心の一つです。
また、固定買取期間満了後の単価も今回は触れさせていただきました。
現在のところ明確な金額は出ていませんので、予測と言うことになりますが11円程度かなと思っています。
設置者としては出来るだけ高い金額で買い取ってくれるとありがたいんですけどね。
もし、太陽光発電をお考えであれば、できるだけ早い段階で申請をすることをオススメします。